エンタメコンテンツに係る契約法務


 テレビ、映画、アニメ、音楽、漫画、小説、ゲーム、アート等のエンターテインメントコンテンツでは、多数の当事者が関与することから、複雑な権利関係や契約関係が発生します。

 当事務所では、ライセンス管理、製作委員会契約、各種資金調達に関する契約等、コンテンツに関する契約の作成や交渉等、包括的なコンサルティングを取り扱います。次の例のとおり、映画分野や音楽分野をみても、その関係者の多さや契約関係の複雑さが見てとれます。

(映画に関する契約関係)

 通常、映画制作においては、製作委員会方式(配給会社・テレビ局・広告代理店等が映画の製作資金を出資し、各自映画の利用権を取得するものをいいます)がとられることが一般的です。製作委員会方式で出資を行う場合には、各社で製作委員会契約(組合契約)を締結することとなります。その場合、同契約においては、各社の出資額・割合、損益分配方法や、幹事会社、事業内容、権利帰属等について定められることになります。

 また、映画製作にあたり、プロデューサーは、小説や漫画等の原作者(または原作を管理する出版社等)との間で原作使用契約(オプション契約)を締結し、映画が実際に製作できるようになった場合に、オプション権を行使して、実際に原作を使用できるようにします。オプション契約では、行使期間やプレミアムについて定められます。原作使用契約では、原作者の意向にも配慮しつつ、著作権や著作者人格権に対するクリエイティブコントロールについて規定することが重要です。同様に脚本家との間で締結する脚本契約においても著作権及び著作者人格権の帰属に留意して権利処理を行います。

 その後、芸能事務所との間で演者の出演契約を、監督との間で監督契約を締結し、制作会社との間で製作業務委託契約を締結します。

 このように、実際に制作に入るまでの間だけを切り取っても、多数の当事者間で、種々の契約関係が発生することとなり、それぞれの契約で注意すべき点は区々となります。劇場で配給するための配給契約、ビデオグラム化のための許諾契約、テレビ放送・インターネット配信のための放映契約、グッズ販売のための商品化契約等も、映画製作に伴って当事者間で締結されることとなります。

(音楽に関する契約関係)

 音楽ビジネスの主なプレイヤーは、楽曲を制作する作詞家・作曲家、音楽出版社、音楽出版社、JASRAC等の著作権等管理事業者、楽曲を実演するアーティスト、レコード会社、芸能事務所等であり、映画同様、多くの当事者が関与することとなります。

 まず、作曲家・作詞家等の作家は、音楽の制作によって、その音楽の著作権・著作者人格権を得ることになります。そこで、音楽出版社は作家との間で、著作権契約(譲渡契約ないし許諾契約)を締結し、音楽出版社が音楽の利用をプロモーションし、得た著作権使用料の一部を作家に支払います。音楽出版社は、通常、著作権等管理事業者に信託ないし委託する形で、同事業者を通じて音楽の利用を許諾することで、利用者から支払われる著作権使用料を得ることとなります。

 その後、音楽は、実際に演奏され、原盤へ録音、複製されることで販売されることになります。まず、原盤を作成する原盤制作者は、アーティストの所属する芸能事務所との間で専属実演家契約を締結(アーティストは、芸能事務所との間でマネジメント契約を締結しています)し、アーティストが有する録音権等の権利譲渡を受ける反面、アーティスト印税を支払うことを取り決めます。その後、原盤制作者はレコード会社(両社は同一の場合もあります)との間で原盤供給契約を締結して原盤を提供し、レコード会社がCD等として製造・販売します。

 当事務所では、テレビ、映画、アニメ、音楽、漫画、小説、ゲーム、アート等、各ビジネス構造に対する理解を前提に、各種契約の作成又はレビューなどを行います。